KDDI Annual Report 2004
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大幅な増益と有利子負債の削減
当期の連結業績に関しましては、営業収益が前期比2.2%増の 2兆8,461億円、営業利益は107.7%と大幅増の2,921億円と なりました。これらはKDDIにとって過去最高の営業収益ならび に営業利益となっています。これに伴い、期中のキャッシュ・フロ ーも大きく改善し、フリー・キャッシュ・フローは前期比32.4% 増の4,042億円となりました。この結果、有利子負債総額を、 2003年3月末の1兆4,970億円から1兆1,798億円に3,172 億円削減いたしました。2005年3月期末を目標に有利子負債を 1兆円に削減するという計画も、十分達成可能と考えています。
このような好調な業績を受け、皆さまのこれまでのご支援に お応えすべく、当期の1株当たり期末配当金を2,400円に増配し、 中間配当金の1,200円と合わせて年間配当金を3,600円といた しました。当社は、株主の皆さまへの利益還元を経営の重要事項 と認識しており、今後も持続的な成長の中で、継続的な安定配当 に努めてまいります。
3Gへの世代移行に伴いau事業が大きく飛躍
2003年度は、当社のau事業にとって大変重要な1年でした。既に ご承知のように、国内の携帯電話の人口普及率は65%に達して おり、市場は成熟していると言われています。このような市場で 携帯電話事業を大きく成長させるために、当社は3G(第3世代)へ の世代交代期の需要に合わせて、魅力的なサービスや端末の提供 に努めてまいりました。
具 体 的 に は 、既 に 2 0 0 2 年 度 か ら 3 G 携 帯 電 話 サ ー ビ ス
「CDMA 1X」を開始しておりましたが、当期にはこれまで以上に
積極的な営業活動を推進すると同時に、2003年11月には、さら に進化した新しい3G携帯電話サービス「CDMA 1X WIN」を 開始し、最大2.4Mbpsの通信速度を活かした大容量コンテンツ の提供、コスト効率のよいネットワークの活用による定額制データ 通信料金の導入など、よりスピーディで快適なモバイル環境の 実現に努めました。これらの活動の結果、auは携帯電話全体の 当期1年間における契約数純増シェアで、初めてNo.1となること ができました。
他の3事業も一定の利益、キャッシュ・フローを確保
BBC&ソリューション事業は減収減益となったものの、期初の 目標に近い利益を確保することができました。この市場では固定 電話による音声トラフィックの減少が続いており、またIP電話へ の移行が進むなど、非常に厳しい事業環境下にあります。そこで 当社は、この音声通話の減収分をカバーするために、データ通信 サービスを中心としたさまざまな施策と積極的な営業活動の推進 に努めました。一方、旧設備の除去など不活性資産のリストラを 進めるとともに、各種コストの削減に努めました。
また、ツーカー事業とポケット事業においては、引き続き特定 のお客さま層に的を絞ったサービス展開を図り、効率的なキャッ シュ・フロー経営を徹底させることで、いずれの事業も前期比で 増益を達成し、期初の目標を上回ることができました。ご契約数 が減少していることから、売上高は減少しておりますが、潤沢な フリー・キャッシュ・フローを確保し、有利子負債の削減は順調 に進んでいます。
株主ならびに投資家の皆さまへ
2003年度(2003年4月1日から2004年3月31日までの1年)は、KDDIがこれまで構築して
きた戦略や施策の展開が目に見える成果として実を結んだ年であり、同時に長期的な目標に向か
って大きく前進することができた重要な年となりました。この場をお借りして、当期の概況と将来
に向けての戦略をご説明させていただきます。
KDDIは未来の通信を創りあげていきます。
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構造改革が利益体質を強化
2000年10月に3社合併して以来、当社は直面していたさまざ まな課題を一つひとつ解決し、グループの利益体質の強化に努め てまいりました。すべての戦略的施策の基本は、事業を長期的に 運営していくための「構造改革」でした。これらは、次の3点に まとめられます。
1. 持続的な成長を見据えた「事業の選択と集中」
2. 合併効果をフルに発揮するための「スリムな事業体制の構築」 3. 収益力が高く、安定した成長を実現する「財務基盤の強化」
当社が、合併3年後にあたる当期に、営業利益を合併年度の 3倍近くにまで伸ばせたことは、このような構造改革の成果であ ると考えております。
(十億円)
五十嵐 三津雄 代表取締役会長(左) 小野寺 正 代表取締役社長
2001 2004 2001 2004
2,816.4 2,846.1 98.8 (170.0) 292.1 404.2 2001 2004
2,097.6 1,179.8
営業利益
FCF
営業収益
(十億円)有利子負債残高
(十億円)合併時との業績比較
2001年3月期の各数値は、連結の数値に合併前のKDD、IDOの上期を単純に合算しています。
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三本の柱を中心に事業を拡大
現在、KDDIグループの収益ならびに利益の大部分は主力である au事業が占めており、今後もこの事業が牽引する事業構造は 変わらないと見ております。しかしながら、中長期的に一層の拡大 を目指すには、au事業以外にも新たな成長分野を築いていく 必要があると考えており、具体的には以下の3本の柱を確立させ てまいりたいと思っております。
個人向け携帯電話事業
「CDMA 1X WIN」の本格的な営業展開を図っていきます。当期 末時点での「CDMA 1X WIN」契約数の比率は、サービス開始 直後ということでいまだ低い状態ですが、今後新たな端末、サー ビスを投入することでご契約数の拡大を目指します。また、「EZ チャンネル」などの大容量コンテンツもグレードアップし、定額 制をフルに活かした3Gサービスとして、他社との差別化を一層 明確化していきます。
また、お客さまが料金を気にすることなく、手軽にモバイル・ インターネットを利用できる定額制が浸透することで、コンテン ツのリッチ化やEコマースの強化、「EZチャンネル」を軸とした 放送型コンテンツの提供など、携帯電話の新たな利用シーンが 拡がり、そこに従来の通信料収入以外の新たな収入源の拡大が 期待できると考えています。
法人向けモバイルソリューション
法人向けに新たな需要を掘り起こし、さまざまなビジネスシーン に向けたサービスを提供していきます。KDDIは、モバイルと固定 の両方のインフラを持っている強みを生かし、独自性のある ソリューションサービスを積極的に展開していきます。例えば、 auの携帯電話と固定データ通信のインフラを使って、お客さま 企業内のシステムを全国規模で連携させ、「BREWTM」による ダウンロード型のアプリケーションやGPSナビゲーション機能を 駆使してカスタマイズするなど、KDDIならではのサービスの 提供により事業規模の拡大を図っていきます。
個人向けブロードバンド事業
2003年10月より開始した「KDDI光プラス」の本格的な営業 展開を図ります。現在、個人向けのブロードバンドサービスは ADSLが中心となっていますが、私どもはFTTHがブロードバン ドサービスの本命であると考えています。「KDDI光プラス」で は、光ファイバーを使った超高速のインターネットサービス、IP 電話、多チャンネル放送サービスをパッケージで提供しています。 現在は中・大型マンション中心に営業活動を行っていますが、 今後は個人宅へと対象を拡大し、早期にこのサービスを軌道に 乗せることで、固定通信事業の新たな柱としていきたいと考えて おります。
ブロードバンドが、私たちの
コミュニケーションをより豊かに変えていきます。
株主ならびに投資家の皆さまへ
パーソナル・ゲートウェイ
鍵
チケット定期券 位置通知地図連動 商品購入・決済
屋外 企業内 家庭内
ASP/CP PDA
リモコン・ カード プレーヤーメディア
カード認証サイフ
パーソナル
ナビ 個人GW
音楽再生/TV
データ閲覧 データ転送
情報家電
SET TOP BOX
パーソナルブラウザPC 遠隔操作
商品決済
アプリ/ソフトDL/ 更新
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ユビキタス・ネットワーク社会における当社の強み
当社の真の強みは、au事業を中心にモバイルから固定まで幅広 い通信インフラを持ち合わせていることです。現在、日本の通信 市場は、さまざまな技術革新や事業環境の変化により、激動の波 にさらされています。また将来、通信はさらなるブロードバンド 化とモバイル化が進み、いつでも・どこでも、あらゆる人・モノ に対してアクセスできる「ユビキタス・ネットワーク社会」が到来 すると考えられています。その時には、携帯であれ固定であれ、 通信はそれらのコンテンツやサービスへのアクセス手段として、 ますます重要性を増していくでしょう。
auが提供する携帯電話サービスは、既に通話機能やE-mailと いった通信媒体の枠を超え、デジタルカメラ、音楽、映像、GPS などという最先端の機能をお客さまに提供しています。この携帯 電話サービスがお客さまの日々の生活の中で果たす役割は今後 ますます大きくなり、財布、クレジットカード、鍵、定期券として の機能や、自宅の家電機器をコントロールするリモコンとしての 機能も果たしていくでしょう。このように、auの携帯電話サービス は来るべき「ユビキタス・ネットワーク社会」における「パーソナル・ ゲートウェイ」としての役割を担っていきます。
また、携帯電話を通してアクセスする映像や音楽などのコン テンツも、一層高度化し、大容量化が進んできます。KDDIでも、
「KDDI光プラス」向けの放送コンテンツをau携帯電話のサービス と連携させるなど、さまざまな施策を推進していきます。加えて、 地上波デジタル放送のモバイル向けサービスが近年中に開始され るという計画もあり、モバイル端末としての携帯電話はひとつの メディアへと進化する過程にあります。このように携帯電話には
「ユビキタス・ネットワーク社会」における新たな「メディア・イン フラ」となる可能性も期待されています。KDDIは、そのような 社会において携帯電話を「パーソナル・ゲートウェイ」に据え、総合 的な通信インフラを幅広く提供することを目指しています。
お客さま満足度業界No.1を目指して
当社が長期的に持続的成長可能な企業体になるためには、最先端 の技術やサービスを提供するだけではなく、お客さま視点のサー ビス提供が不可欠と考えています。KDDIは「お客さま第一主義」 を最重要課題としており、TCS(トータル・カスタマー・サティス ファクション)活動を推進し、「お客さま満足度No.1」を目指して まいります。KDDIにとってのお客さまとは、当社サービスのご契 約者のみならず、販売店やメーカー各社、株主、社員、環境を含む 社会全体のすべてのステークホルダーを意味しています。これらの お客さまから多種多様なご意見やご要望を頂戴することで、サー ビスの質的向上を総合的に図っていきたいと考えています。
通信技術の飛躍的な進歩により、社会における「通信」の果たす 役割はこれまでになくその重要性を増しつつあります。このような 環境下、KDDIは単に技術の優位性を追求するのではなく、常に お客様の視点から通信事業をとらえ、どのようなサービスが真に お客さまに利便をもたらし、ご満足いただけるかを基本に事業を 推進してまいります。言い換えれば、KDDIが究極の目標として 目指しているのは、お客さまと共に創りあげる未来の「新しい通信 事業」です。この目標に向かって全社一丸となってチャレンジして まいりますので、今後とも、倍旧のご支援ならびにご鞭撻を賜り ますようお願い申し上げます。
2004年7月
代表取締役会長 五十嵐 三津雄
代表取締役社長 小野寺 正